こんにちは。まめちです。
「正直に言って、金融業界にはいいイメージが無いです。最近サブプライム問題で世界的に景気が減速しているのも、金融業界がマネーゲームに失敗したせいなんでしょう?金融って世の中に混乱をもたらすだけの悪しき存在だと思います」
先日開かれた就活相談セミナーで、ある学生が私にこのような質問を投げかけてきました。
金融業界がこのように誤解されているのは非常に残念ですが、昨今の新聞・ニュースの報道を見ているとこのような疑問が生まれてくるのも当然かもしれないと思います。
そこで今回は、金融技術が社会にどのような形で活かされているのかについて軽くご説明したいと思います。
さて、そもそも金融技術とは、マスコミが毎日のように喧伝しているように「悪」であり、「社会を混乱に陥れる元凶」なのでしょうか。
それは違います。
金融技術は私たちの社会に安心と発展をもたらすものなのです。
金融技術なくして現代社会は成立しえません。いや、現代文明が成立しえたのはひとえに金融技術のおかげであると言っても過言ではないでしょう。
毎日何百万という人や荷物を乗せて運行している鉄道、バス、飛行機、船舶。
もし損害保険が存在せず、事故による金銭リスクをヘッジする方法がなければ、企業は多大な額の賠償金の発生を恐れてこれらの乗り物を動かすことはできません。
例えば、もし損害保険がこの世になければ、鉄道会社は賠償金の発生するリスクを運賃の大幅増という形で利用者に転嫁せざるを得なくなり、今日のように安い価格で電車に乗ることは不可能でしょう。
冷蔵庫やテレビもそうです。
これらの家電を生産する会社は、自社製品の欠陥によって生じる金銭債務を保険契約でヘッジしています。
もしこの保険契約が結べなかったとしたら、それは製品価格の急激な値上げという形で消費者に悪影響を及ぼすでしょう。
その他、個人で加入している生命保険、自動車の自賠責保険、公的年金・企業年金の運用など、我々の生活には金融技術が直接間接に関わっているのです。
時を遡ると、保険を中心とした金融技術が社会に大きな影響を及ぼした事例があります。
15世紀中頃から始まった大航海時代。
これによりフィレンツェやヴェニスといったイタリアの商業都市は空前の繁栄を実現し、イタリアの諸都市では富裕な商人に支えられルネサンス文化が花開きました。
この繁栄を下支えしたのも、実は保険を中心とした金融技術なのです。
航海技術や造船技術が今と比べて比較にならないほど未熟であった当時、破船により財産を失う可能性は非常に高いものでした。
しかしここに破船による金銭リスクをヘッジできる手法、すなわち保険が導入されたことにより、事業主たちはリスクを恐れず世界中に富を求めて船を漕ぎ出すことができたのです。
私は、金融技術とは原子力と同じようなものだと思っています。
原子力は使い方によっては大量破壊兵器にもなるし、電力の供給源として社会を支える存在にもなります。
金融技術も同じです。
正しい知識と利用法でもって用いれば私たちの財産を守る強い味方となり、使い方を誤れば社会に混乱をもたらす「凶器」となりうるのです。
原子力や金融に限らず、テクノロジーには全ていい面と悪い面があります。
私たちに求められるのは、テクノロジーについての正確な知識を学び、正しく活用していくことなのではないでしょうか。
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